土佐酒に見出した世界への可能性

合同会社コチコチ
  • 飲食
メイン画像: 土佐酒に見出した世界への可能性

合同会社コチコチ

世界を股にかける

平野さんは大学卒業後、大手のコンサルティング会社に7年間勤めた後、経営学についてもっと学びたいと思い、イギリスの大学に留学しMBA( 経営学修士) を取得しました。MBA取得後、フランスのコンサルティング会社での2年間の勤務経験を経て、2005年に帰国しその会社の日本法人を立ち上げ、2014年まで代表取締役を務めるなど、まさに世界を股にかけて活躍をしてきました。

3つめのステージを目指し

平野さんはおよそ10年ごとに自身のキャリア形成を考えてきました。最初の就職からイギリス留学までの期間がおよそ10年、帰国して会社を立ち上げて、経営をしたのが10年です。次のステージを考えたとき、一度自分の中に積もった埃を払う必要があると考えるようになりました。そこで思い切って退職し、9ヶ月間奥さんとともにヨーロッパ、アジア、アメリカなど世界一周の旅に出ることにしました。

心休まる香美市の風景

高知の美しさに魅せられる

旅から帰ってきた平野さんはこれまで訪れた国の中でどこに居を構えるか迷っていました。スリランカは仏教国であり国民が穏やか、しかも風景も魅力的、フランスやポルトガルは食べ物も美味しい上に、やはり風景が素晴らしい、ハワイの穏やかな気候風土も素晴らしい・・・迷った末決めた場所はなんと高知県香美市。奥さんが香美市出身ということもありましたが、とにかく惹きつけられたのは、豊かな自然と美味しい食べ物、時間の流れがゆったりとした心洗われる田舎の風景でした。世界中のどの国にも負けない魅力がそこにはあると感じました。

リスボンのワインの試飲機械

高知の地酒の虜に

香美市に移り住んだ平野さんは、自分が好きなことの中で、これまでとは違う仕事をしたいと考えていました。そんな矢先のこと、高知県の地酒を飲む機会があり、その美味しさに感動しました。日本酒の可能性を大いに感じた平野さんは、生来の凝り性が頭をもたげ、高知県酒造組合が認定する土佐酒アドバイザー、日本ソムリエ協会のワインエキスパート、SAKEDIPLOMA(ディプロマ)を次々と取得していきました。移住して二年目、自分が好きなことを仕事にしたいと常に考えていた平野さんは、自分の天職は大好きな日本酒を広める仕事だと考えるようになりました。

事業化に向けて

高知の地酒を気軽に、しかも多くの人に飲んでいただくにはどうすればよいか。脳裏に浮かんだのは、世界一周旅行をした時にポルトガルのワイン酒造組合で見かけたワインの自販機でした。何種類ものワインを試飲できる工夫が素晴らしいと感心しました。さらにイギリスのヒースロー空港やフランスのシャルルドゴール空港でみかけたおしゃれなワインバーでワインとおつまみを楽しんでいる旅行客の情景が思い出されました。それを日本酒に応用したいと思った平野さんは、高知県酒造組合を訪ね、高知龍馬空港での日本酒バーの企画を提案し、後援をとりつけました。そこから1年以上かけて空港と話をし、仮設店舗としての営業許可を得ることができました。こうして、高知の地酒を自販機で試飲する「TOSA GATE(土佐ゲート:土佐への入り口の意味)」の構想が誕生、合同会社コチコチを設立しました。コチコチはKOCHI KOCHI。社名からも高知愛がうかがえます。なおTOSA GATEは、平成30年度高知家ビジネスプランコンテストで優秀賞を受賞しました。

日本酒を世界に

TOSA GATEは500円で3種の地酒を試飲することができ、今年の7月29日から9月1日まで高知龍馬空港に設置されています。今後は高知空への常設を目指すとともに、高知新港に客船が着岸する際にも利用いただけるよう準備を進めています。目標は、まずは高知の地酒をもっと県外の方々に知ってもらうことです。そのために高知の自然と食べ物、酒蔵巡りをセットにしたツアーも考えています。さらに、国内だけでなく海外にも高知の地酒を中心に日本酒のファンを広げていきたいと考えています。海外では日本食が見直されたことがきっかけで日本酒に対する関心が高まっており、市場の広がりが期待されるからです。そう遠くない将来、羽田空港などの国際空港にTOSA GATEの設置を実現させ、インバウンドのお客様に日本酒に親しんでもらいたいと考えています。豊富な海外経験を持つ平野さんならではのプロジェクトに期待が高まります。

会社情報

社名 合同会社コチコチ
住所 〒780-0052
高知市大川筋1-7-31
代表 平野宏明
企業HP www.kochi2.com

この企業へのお問い合わせ


過去の記事

TOPへ