笑顔人口を増やすために

福の種合同会社
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高知市内でデイサービスと企業主導型保育園を経営する福の種合同会社。代表社員の木村さんは、大学卒業後、大手企業の半導体部門の生産管理職として働いていましたが、次第に地元高知での暮らしが自分には合っているのではないかと思うようになりました。帰高後は、菓子メーカーの生産管理部門や、シンクタンクでの勤務、また、農業従事など、自分が納得できる仕事を求めて転職を繰り返しました。そして、病院の事務長を務めた事がきっかけとなり、福祉の世界に足を踏み入れました。

医療保険制度の限界

病院勤務を通じて、木村さんが目の当たりにしたのは医療保険制度の限界でした。本来、高齢の方々は、元気に動けるようになるために病院でのリハビリを行ったり、デイサービスに通ったりしているはずが、必ずしもそうとも言えない現実があったのです。80年、90年の人生を歩んでこられた方々が最後まで生き生きと過ごすためには、何か他のアプローチの仕方があるのではないか。そう考えた木村さんは、介護福祉士の資格への挑戦を決意し、その勉強の傍ら、日本中の福祉施設を訪ねて研究を重ねました。

独自のリハビリメニュー

勉強する中で木村さんが出会ったのは、機器を使って、楽しくトレーニングをすることで、身体能力を回復しながら気持ちを明るくしていくパワーリハビリテーションという考え方でした。また、木村さんは、認知機能を高めるための脳のリハビリ、心を健康にするための笑いヨガ、そして食べ物を誤って気道に飲み込むことを予防するための口腔体操を組み合わせた独自のメソッドを開発し、短時間型デイサービスを9年前に開業しました。

リハビリの驚くべき力

福の種合同会社が経営するデイサービス「アルコ」に通ったご本人やご家族からは、「(筋力が付き)湯舟をまたぐのが楽になった」「飲み込みがしやすくなった」「笑顔が出てきた」「自分から話をするようになった」など、数多くの嬉しい声が届いています。認知症の方の認知機能が劇的に改善したとの報告もあります。 「私どものデイサービスは、原則半日型です。来所いただいたら絶えず何らかのリハビリをしていただきますので、ボーっとできる時間はありません。でも、それが狙いなんです。」と木村さんは言います。アルコでは、国の基準の2倍の数の職員を配置し、手厚くリハビリをしていることや、前述の4種類のメニューの組み合わせが相乗効果を発揮し、成果につながるのだそうです。

企業主導型保育園の開設

人口減少時代を迎えたからこそ、高齢者福祉だけではなく、子供の福祉も充実させなければ地域の発展はない。」そう考えた木村さんは、3年前に、0歳~2歳児を対象にした企業主導型保育園をオープンしました。企業主導型保育園とは、事業所内に設置される保育園のことです。現在は、市内で3園を運営しており、様々な就業形態に対する保育サービスを展開し、待機児童を解消することで、働く人の仕事と子育ての両立をサポートしたいと考えています。 園の提携企業で働く従業員の方は、認可保育園と比べると安価な利用料で、空きがある限り、優先的に保育園が利用できる仕組みです。企業の人材確保のために是非有効活用して欲しいと考えています。

保育園での様子

心豊かに過ごせる社会を

「人は、住みなれたわが家で暮らし続けたいと考えるものです。自宅で元気に過ごすためのサービスとして訪問看護や訪問診療を利用できる社会にしなければなりません。そのためにも、病気やケガをしても、家で暮らし続けられるだけの体力、意欲にまで回復するリハビリが必要なのです。」木村さんの言葉からは信念が感じられました。 福の種合同会社では、将来はデイサービスと保育園に加え、障がいを持つ方々のための施設を作ろうと構想しています。「高齢者」「子ども」「障がい者」はともすれば社会的に弱い立場になりがちです。これらの方々が生き生きと過ごせる社会こそが、豊かな社会であり、地域の発展につながるとの考えからです。 木村さんは福の種を蒔きながら「笑顔人口」を少しずつ増やしているのだと感じました。

会社情報

社名 福の種合同会社
住所 高知市中久万49‐12 1F
代表 木村 徹

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