音楽で高知の暮らしを豊かにしたい
ドラム音楽教室30Minutes(サーティミニッツ)
ピアノやエレクトーンなどの音楽教室はよく目にしますが、ドラムの演奏の仕方を教えてくれる教室は高知市ではまだまだ珍しいのではないでしょうか。今回お伺いしたのは、ドラム音楽教室30Minutes ( サーティミニッツ) の武田さんです。3年前に開業し、大人から子供まで20名以上の生徒を教えています。

レッスンの様子
音楽に囲まれて育つ
武田さんは、幼い頃から音楽に囲まれた生活を送ってきました。家の中に常に歌謡曲が流れ、二人の兄はピアノやギターを演奏し、自身も4歳からピアノを習いました。思春期にはクラシックギターの演奏を覚えやバンド活動にも没頭しました。そして、東京の音楽専門学校に入学し、ドラムを専門に勉強しました。ドラムを選んだ理由はそれまで経験したことのない楽器を演奏したいと思ったからだそうです。ピアノやギターは指先に神経を集中させ弦を叩いたり弾いたりする繊細な技術が必要です。一方ドラムは、ダイナミックに身体全体で演奏する楽器です。正しい姿勢を維持し、疲れない合理的な身体の使い方が求められるので、スポーツに近い側面もあります。中学時代にサッカーにも打ち込んでいた武田さんは、ドラムの演奏にのめりこみました。 専門学校卒業後は、4年間プロのセッションドラマーの見習いに従事しました。セッションドラマーとは、レコーディングやライブ、リハーサルに呼ばれて演奏するドラマーの事です。セッションドラマーの随行を通じて、プロが演奏に求めるレベルの高さや一音一音を大切にする姿勢、演奏の際の緊張感など、音楽を作り上げるために必要な要素を学びました。同時に自身が作詞作したオリジナル曲を演奏するバンドを組み、演奏活動も続けていました。

2019 年リリースの自作のCD
転機
武田さんの音楽人生に転機が訪れたのは、東日本大震災でした。ライブイベントが相次いで中止され、テレビ等でも娯楽系音楽番組の放送が控えられるなど、日本中に音楽自粛のムードが広まりました。活動がままならなくなり人生の方向性を見失った武田さんは、故郷四万十市に戻りました。 帰郷後、ピアノの恩師の孫にドラムを教えたことがきっかけで、評判が口コミで広がり、楽器店に「うちで教室を開いてもらえないか」と声をかけてもらうまでになりました。ドラムを教えて生きていくのも一つの道だと将来ビジョンを描けるようになった武田さんは、活動の拠点を高知市に移し令和元年9月に、ドラム音楽教室を開業しました。武田さんは幼児を含め初心者の方には30分でレッスンを行います。小さい子供は楽しさから30分を超えてもドラムを叩きたがるそうですが、それ以上は時間をかけず、集中力を切らさないレッスンこそが成果が上がると考えています。屋号をドラム音楽教室30Minutesとしているのにはこのような意味があります。
音楽とともに生きる
新型コロナウイルス感染症が始まった当初は、ライブハウスでのクラスターが批判され、音楽関係者が肩身のい思いをした時期がありました。しかし武田さんは教室を営むなかで、人間が心豊かに生きていくためには、音楽は大切な役割を担えると考えています。 そこでライブハウスに行かなくても気軽に音楽を楽しむために、将来は、教室にドラム以外の楽器も取り揃えたカフェを併設し、子供のレッスンの待ち時間にお父さんやお母さんが楽器に触れられる機会を作りたいと考えています。また、大人の生徒ための演奏会の場としてもカフェが欲しいと思っています。「音楽で高知の暮らしを豊かにしたい」とそう語る武田さんの眼差しは、真剣そのものでした。
会社情報
社名 | ドラム音楽教室30Minutes(サーティミニッツ) |
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住所 | 高知市比島町2-16-7 フラットパイン1F |
代表 | 武田 顕志郎 |